よろず支援拠点は何でも相談できる?上手な使い方
よろず支援拠点という名前を、聞いたことはあるでしょうか。国が各都道府県に設置している、中小企業・小規模事業者向けの無料経営相談所です。
「よろず」という名の通り、相談内容に制限はほとんどありません。ただ、だからこそ使い方によって得られるものが大きく変わります。今日は、上手な使い方をご紹介します。
無料で何度でも相談できる。この条件を活かせるかどうかは、相談する側の準備にかかっています。制度が優れていても、丸腰で行けば雑談で終わります。
何が相談できるのか
実際に多い相談は、次のようなものです。
- 売上を増やしたいが、何から手をつければいいか分からない
- 新商品を作ったが、売り方が分からない
- ホームページやSNSを活用したい
- 補助金を使いたいが、どれが該当するか分からない
- 創業したい、事業を引き継ぎたい
- 資金繰りが苦しい
特徴的なのは、課題が漠然としていても受け止めてもらえることです。「何が問題なのか分からない」という状態からの相談が、むしろ想定されています。
他の窓口との違い
- 無料:回数制限も原則ありません
- 分野が広い:販路開拓、財務、ITなど、専門の異なるコーディネーターが在籍
- チーム対応:複数の専門家が同席して相談に応じる体制がとられることもあります
一方で、基本的には来所または訪問による相談が中心で、実務の代行はしてもらえません。書類を作ってもらう場ではなく、考えを整理し、方向を決める場だとご理解ください。
初回に持っていくもの
準備なしでも相談はできますが、次の3点があると、初回から中身の濃い時間になります。
- 直近2〜3期の決算書(写しで可)
- 自社のパンフレットやホームページの印刷物
- 困っていることを書いた、箇条書きのメモ
3つ目が最も効きます。5つほど書き出していくだけで、相談員があなたの状況を素早く把握できます。
1回で終わらせない
最大の活用法は、継続して通うことです。1回の相談で解決する課題は、そう多くありません。
おすすめの進め方は、こうです。
- 1回目:現状を話し、課題を絞り込む。宿題をもらう
- 2回目:宿題を持参し、方向性を固める
- 3回目以降:実行した結果を報告し、修正する
この「宿題を持って戻る」サイクルができると、相談の質が回を追うごとに上がります。逆に、毎回ゼロから同じ話をしていると、いつまでも入口から進みません。
相談員との相性
コーディネーターにも専門分野があります。財務が得意な方、販路開拓が得意な方、ITが得意な方。相談内容に応じて、担当を変えてもらうことも可能です。
予約の際に「○○について相談したい」と伝えておくと、適した担当者が対応してくれます。遠慮せず、目的を伝えてください。
他の支援とも組み合わせる
よろず支援拠点は、他の制度への橋渡しもしてくれます。
- 補助金の申請なら、商工会・商工会議所と連携
- 専門家に現場を見てほしいなら、専門家派遣制度を紹介
- 資金調達なら、金融機関や信用保証協会につなぐ
「入口」として使い、そこから広げていくのが、賢い使い方です。
おわりに
公的支援は、税金で運営されています。事業者は、それを使う権利があります。遠慮する必要はまったくありません。
まずは、お住まいの都道府県の窓口に電話してみてください。それが最初の一歩です。