1on1を形骸化させないための5つの問い
1on1を導入したものの、「最近どう?」で始まって「まあ頑張って」で終わる。そんな面談になってしまっていませんか。時間だけが消費され、上司も部下も負担に感じ、いつのまにか実施されなくなる。よくあるパターンです。
原因は、たいてい問いの設計にあります。今日は、対話を深めるための5つの問いをご紹介します。
1on1は、上司が話を聞く場です。ところが実際には、上司が7割話している面談が非常に多い。まずはそこを逆転させることから始まります。
問い① 「この1か月で、一番うまくいったことは?」
冒頭で必ず良かった話から入ります。理由は2つあります。ひとつは、部下が話しやすくなること。もうひとつは、上司が知らない成果を拾えることです。
そして、必ず一段掘り下げてください。「それがうまくいったのは、何が良かったと思う?」──成功の再現条件を、本人に言語化してもらいます。
問い② 「今、一番時間を取られていることは?」
「困っていることは?」と聞くと、多くの部下は「特にありません」と答えます。困りごとを口にするのは、評価に響くのではという不安があるからです。
「時間を取られていること」なら、事実として答えやすくなります。そして、そこには業務改善の種が必ず含まれています。無駄な承認、二重入力、待ち時間。1on1は、現場の非効率を吸い上げる最良の場でもあります。
問い③ 「私が知らないことで、知っておくべきことは?」
3つ目は、少し勇気のいる問いです。トラブルの兆候、顧客の不満、他部署との摩擦。こうした情報は、放っておくと上司には届きません。
この問いを毎回同じ言葉で聞き続けると、部下の側も「話していい場だ」と理解していきます。1回目で何も出なくても、続けることに意味があります。
問い④ 「次の1か月で、何ができるようになりたい?」
成長に目を向ける問いです。「どうなりたい?」という大きな問いより、期間を1か月に区切ったほうが答えやすくなります。
答えが出たら、上司は次の一言を添えてください。「そのために、私は何を手伝える?」──ここまでセットにすると、1on1が単なる報告の場から支援の場に変わります。
問い⑤ 「今日話したことで、次までにやることは?」
最後に、必ず行動を1つ決めて終わります。上司側の宿題も、あわせて明確にしてください。
そして次回の冒頭で、必ずその宿題に触れること。前回の話が続いていると分かった瞬間、部下にとって1on1は「聞いてもらえる場」になります。
運用の3原則
- 短くていい:30分で十分。60分は続きません
- 延期しない:一度飛ばすと、形骸化が始まります
- 評価の場にしない:評価面談とは、明確に分けてください
3つ目は特に重要です。1on1が評価に直結すると分かった時点で、部下は本音を話さなくなります。
おわりに
1on1は、制度としては非常に安価です。必要なのは時間だけ。それでいて、離職の予防、業務改善、育成という3つの効果が同時に得られます。
形骸化を感じているなら、問いを5つ決めるところからやり直してみてください。問いが変われば、面談は変わります。