コラム 2026.04.22 by 呑海 賢次

中小企業診断士に相談する前に整理しておくべき3つのこと

「初めて中小企業診断士に相談するのですが、何を持っていけばいいですか?」──事前にこういうご質問をいただくことがあります。皆さん律儀にしっかり準備しようとされるのですが、結論から言うと、身構える必要はまったくありません。完璧な資料も決算書一式も不要です。

ただ、ほんの少しだけ「整理してから来てもらえる」と、限られた相談時間が一気に有意義になります。今日は、相談前に5分だけでいいので考えておいていただきたい、3つのことをご紹介します。

相談の質は、診断士の腕前以上に「整理されているか」で決まります。完璧でなくていい。ぼんやりでいい。それでも準備の有無で時間の濃さは何倍も変わります。

1. 「困っていること」を箇条書きで5つ書き出す

これが最も大切です。経営の困りごとは、頭の中にあるうちは整理されていません。一度紙に書き出すだけで、自分でも気づかなかった本質が浮かび上がります。

書き方のコツは、大きな悩みも小さなモヤモヤも区別せず、思いついた順に書くこと。たとえばこんな感じです:

  • 売上が前年比で2割落ちている
  • 幹部社員が辞めそうな気配がある
  • 新しいシステムを入れたいが、何を選べばいいかわからない
  • 銀行から事業計画の更新を求められた
  • そもそも自社の強みが何なのか自信がない

並んでみると、これらは別々の問題に見えて、根っこでつながっていることが多いものです。診断士は、この5つから「最初に手をつけるべき1つ」を一緒に見つけていきます。

2. 「数字で語れる現状」を3つだけ準備

決算書一式を全部持ってきていただく必要はありません。むしろ初回は、ざっくりした数字3つで十分です。

  • 直近の売上(年商)
  • 従業員数(パート含めるかどうか)
  • 主な顧客層 or 主力商品の売上構成(ざっくり何割)

この3つがあると、診断士はあなたの会社の「規模感」と「事業構造」を即座に把握できます。実は、悩みの解像度はこの3つで一気に上がります。たとえば「売上が落ちている」と言っても、年商1億円の会社と20億円の会社では打ち手が全然違います。「主力商品の売上が9割」なのか「均等」なのかでも戦略の方向性が変わります。

3. 「3年後どうなりたいか」をざっくり描いておく

この3つ目が、一番ふんわりしていて、一番効きます。経営の相談は、目の前の困りごとを解決するためだけのものではありません。「どこに向かうべきか」が決まらないと、目の前の打ち手も選べないからです。

難しく考える必要はありません。例えば──

  • 3年後、売上を1.5倍にしたい
  • 3年後、息子に経営を引き継ぎたい
  • 3年後、自分は現場から離れて経営に集中したい
  • 3年後、新しい事業を主力にしたい
  • 3年後、社員数を倍にしたい

こんな粒度で十分です。「特に決まっていない」「考えたこともない」というのも立派な答えで、それなら相談の中で一緒に描いていくところから始めればいいのです。

準備したものを、相談で全部使い切る必要はない

大事なのは、書き出した内容そのものではなく、「書き出すために考えた時間」です。整理する過程で、自分の頭の中が片付き、本当の課題が浮かび上がってきます。診断士に会う前に、すでに半分は解決の入り口に立てている状態になります。

おわりに

初めての相談は緊張するものです。ですが、診断士は経営者を試したり評価したりする存在ではありません。あなたの経営の「壁打ち相手」です。

5分だけでも、相談前にこの3つを紙に書いてみてください。1時間の相談が、3時間分の価値ある時間になります。「ちょっと話を聞いてほしい」というご相談、お気軽にどうぞ。

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まずは、お話だけでも

整理がついていなくて大丈夫。一緒に紐解いていきます。