生成AIで議事録・報告書を半分の時間に
生成AIを業務に取り入れたい。でも、どこから始めればいいか分からない。そんな会社にまずお勧めしているのが、議事録と報告書の作成です。
理由は3つあります。効果が数字で見えやすい。失敗しても損害が小さい。そして、多くの社員が「面倒だ」と感じている業務だからです。
AI活用の入口は、華やかな用途ではなく、誰もが面倒だと思っている定型業務から入るのが定石です。歓迎される改善から始めてください。
議事録作成の基本手順
おおまかな流れは、次のとおりです。
- ① 会議を録音する(スマホの録音アプリで十分)
- ② 文字起こしする(音声認識機能を持つツールを利用)
- ③ 文字起こし結果を生成AIに渡し、要約・整形させる
- ④ 人が確認し、修正して確定する
ツールによっては、①〜③を一括で処理できるものもあります。まずは手持ちの環境でできる範囲から始めてください。
指示の出し方が、品質を決める
ここが最大のポイントです。「要約して」とだけ指示すると、当たり障りのない文章が返ってきます。出力の形を、具体的に指定してください。
たとえば、こういう指示です。
- 「決定事項」「保留事項」「次回までの宿題(担当者と期限つき)」の3つに分けて整理してください
- 発言者ごとではなく、議題ごとにまとめてください
- 数字が出てきた箇所は、必ず原文のまま残してください
- A4一枚に収まる分量にしてください
3つ目が重要です。数字や固有名詞は、AIが変えてしまうことがあります。原文保持を明示的に指示しておくと、確認の手間が減ります。
報告書にも同じ考え方が使える
訪問報告や日報も、同様に効率化できます。訪問直後に、箇条書きのメモを音声入力で残しておき、それを整形させる。
この場合の指示例は、次のようになります。
「以下のメモをもとに、訪問報告書を作成してください。項目は『訪問先・日時』『相手方の課題』『提案内容』『次回アクション』の4つ。です・ます調で、A4半分の分量に」
フォーマットが固定されている業務ほど、効果が大きく出ます。
必ず守るべき3つの注意点
① 録音の許可を取る
社内会議であっても、参加者に録音することを伝えてください。社外との打合せでは、必ず事前に許可を得ます。
② 機密情報の扱いを決める
顧客名、取引条件、未公開の経営情報。これらを含む会議の記録を、どのサービスに入力してよいかを社内で決めてください。サービスによって、入力データの取り扱いは異なります。
③ 必ず人が確認する
生成AIは、もっともらしい誤りを出します。特に、言っていないことを補って書いてしまうことがあります。議事録は「言った・言わない」の証拠になる文書です。確認を省略してはいけません。
効果の測り方
導入する前に、現状を測っておいてください。
- 1回の議事録作成に、何分かかっているか
- 月に何回、その業務が発生するか
- 担当者の時間単価はいくらか
この3つを掛け合わせると、削減できる金額が出ます。数字で示せると、次の投資の話も通りやすくなります。
次のステップ
議事録で手応えを感じたら、次はこのあたりが候補になります。
- 提案書・企画書のたたき台づくり
- 問い合わせメールの下書き
- 長い資料や仕様書の要約
- アンケートの自由記述の分類
いずれも、最終判断は人がするという原則は変わりません。
おわりに
AI活用は、大きな構想から入ると動けなくなります。まず一業務、確実に楽になる体験を作ること。そこから広がっていきます。
どの業務から始めるべきか、といったご相談も承っています。